研究実績の概要 |
始原生殖細胞を異なったステージの発生段階にあるマウスから回収し、ケミカルライブラリーによる増殖スクリーニングの予備アッセイの構築を行った。具体的にはEnhanced green fluorescence protein を発現するトランスジェニックマウスをメスマウスと交配し、胎生8.5, 10.5, 12.5日の始原生殖細胞を細胞特異的な表面マーカー分子(SSEA-1抗原)を指標にしてFACS Divaにより純化した。回収された細胞はIsocove MEMを基礎とするマウスgermline stem (GS)細胞の培地に懸濁し、96穴プレートに1穴あたり100, 1000, 10000個で細胞培養を行った。96穴プレートにはあらかじめ始原生殖細胞の培養に有効とされているフィーダー細胞(STO細胞、Sl-220細胞、15P1細胞)を準備しておき、マイトマイシンC処理により不活化処理を行い、この実験系で細胞が生存する最適条件の検討を行った。細胞の生存はコンピューターによる自動計測で確認し、培養開始後10日目に結果を判定した。これまでの始原生殖細胞の増殖に有効であるとされるSteel factor, fibroblast growth factor2, leukemia inhibitory factor, bone morphogenic protein 4などのサイトカインを中心としてスクリーニングを行い、生存期間がどのくらいの長さになるのかについて定量的に解析を行った。
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