研究課題
本研究では、我々がこれまでに作製した高頻度遺伝子変異蓄積マウス系統を継代することにより、生きたマウス個体に遺伝的多型を蓄積させ、新たな生命デザインモデルマウスを確立するものである。本年度は、昨年度明らかになった実験室マウス及び我々の高頻度遺伝子変異蓄積マウス系統での1世代あたりで起こる突然変異率についての解析を、更に個体数を増やして解析するとともに、突然変異の偏りや変異発生時期の特定を試みた。また、昨年度報告した高頻度遺伝子変異蓄積マウス系統における体重、体長などの量的形質のばらつきについて、マウスクリニック解析を行い、高血糖、心臓肥大だけでなく、高血圧、不整脈となるマウスを特定することに成功した。これらの高頻度遺伝子変異蓄積マウスについては、全ゲノムシーケンス解析を行うとともに正常なC57BL/6マウスと交配することによりF1マウスを得、そのF1マウス同士を交配することにより、F2マウスを得、高頻度遺伝子変異蓄積をもたらすDNAポリメラーゼpolD変異を外すとともに、高血糖、高血圧、不整脈となるF2マウスを解析し、疾患モデルマウス系統の作製を試みている。また、全ゲノムシーケンス解析で得られた突然変異の解析を、F2マウスを用いて行うことにより、高血糖、高血圧、不整脈の原因となる突然変異の組み合わせを解析し、エピスタシスの実体を明らかにしたいと考えている。また、ヒト集団における遺伝的多型との比較をすることにより、ヒト疾患におけるモデルマウス作製が可能となると考えている。
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Front Mol Neurosci
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doi: 10.3389/fnmol.2017.00114
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