我々は5種の抗タンパク質モノクローナル抗体の抗原決定基をペプチドレベルまで新規に同定した。さらに、当該抗体が異種タンパク質に内在する同じ抗原決定基にも反応することを明らかにした。これは、生物が無限に存在しうる外来抗原に対して有限な抗体特異性レパートリーで対応しうることを意味し、抗原決定基データベースを構築する価値を示すことが出来たと考える。今後、多様なモノクローナル抗体のcDNA を分子クローニングし、抗原決定基情報と併せてデータベース化すれば、将来的に抗体の超可変領域のアミノ酸配列を参照し結合特異性の異なる人工抗体を自由にデザインが可能となる。
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