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2016 年度 実績報告書

ロコモティブシンドロームのモデル確立と定量評価および症状を軽減させる化合物の探索

研究課題

研究課題/領域番号 15K14373
研究機関青山学院大学

研究代表者

平田 普三  青山学院大学, 理工学部, 教授 (60402450)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード遺伝学
研究実績の概要

社会の高齢化が進む日本で、加齢や運動不足による身体機能低下や運動器疾患が注目されている。ロコモーティブシンドローム(ロコモ)やフレイルという言葉に代表される老人性の運動能力低下では加齢にともなって筋が萎縮したり、筋力が低下したりするが、その過程や、その発症原理には不明な点が多く、動物モデルを用いたよる検証、さらには動物モデルを用いたロコモ・フレイルの軽減の研究が待たれる。本研究ではゼブラフィッシュを脊椎動物モデルとして、老化過程における筋の形態評価系を立て、将来の創薬や治療に資する基盤の構築を進めた。メダカ由来のトランスポゾンであるTol2を用いたトランスジェニックゼブラフィッシュ作製系を用いて、筋で特異的かつ強力に遺伝子発現を誘導するアルファアクチンプロモーターでさまざまな蛍光タンパク質を発現ドライブするトランスジェニックゼブラフィッシュ系統を作製し、骨格筋の核、細胞膜、アクチン繊維をライブイメージングすることに成功した。また、蛍光画像を定量解析することで、骨格筋における筋線維の数、筋線維の太さ、各筋線維あたりの核の数、アクチン線維の太さを個体内・個体間で比較すると、遅筋と速筋で各筋線維あたりの核の数が異なることが確認された。これらのトランスジェニックゼブラフィッシュ系統を交配することで、単一個体で骨格筋の核、細胞膜、アクチン繊維を同時にマルチカラー標識することもできるようになった。また、カルシウム指示タンパク質であるGCaMPを骨格筋で発現するゼブラフィッシュ系統も作製し、麻酔科で骨格筋の活動を可視化する実験系も確立した。さらに、色素細胞を欠く透明系統と交配することで、成魚個体でも骨格筋のイメージングをできるようにした。これらの新規イメージング系統はロコモ・フレイルにおける筋萎縮の解析に有用で、実際に老齢個体で筋の萎縮が観察され、薬剤による筋損傷でも筋の減少が見られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Activation-dependent rapid postsynaptic clustering of glycine receptors in mature spinal cord neurons.2017

    • 著者名/発表者名
      Nakahata, Y., Eto, K., Murakoshi, H., Watanabe, M., Kuriu, T., Hirata, H., Moorhouse, A. J., Ishibashi, H. and Nabekura, J.
    • 雑誌名

      eNeuro

      巻: 4 ページ: 1-20

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Mutations in subunits of the activating signal cointegrator 1 complex are associated with prenatal spinal muscular atrophy and congenital bone fractures.2016

    • 著者名/発表者名
      Knierim, E., Hirata, H., Wolf, N. I., Morales-Gonzalez, S., Schottmann, G., Tanaka, Y., Rudnick-Schoneborn, S., Orgeur, M., Zerres, K., Vogt, S., van Riesen, A., Gill, E., Seifert, F., Zwirner, A., Kirschner, J., Goebel, H. H., Hubner, C., Stricker, S., Meierhofer, D., Stenzel, W. and Schuelke, M.
    • 雑誌名

      Am. J. Hum. Genet.

      巻: 98 ページ: 473-489

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Defects of the glycinergic synaptic in zebrafish.2016

    • 著者名/発表者名
      Ogino, H. and Hirata, H.
    • 雑誌名

      Front. Mol. Neurosci.

      巻: 9 ページ: 1-18

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Loss of ift122, a retrograde intrafragellar transport (IFT) complex component, leads to slow, progressive photoreceptor degeneration due to inefficient opsin transport.2016

    • 著者名/発表者名
      Boubakri, M., Chaya, T., Hirata, H., Kajimura, N., Kuwahara, R., Ueno, A., Malicki, J., Furukawa, T. and Omori, Y.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 291 ページ: 24465-24474

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ゼブラフィッシュを用いた骨格筋細胞の解析2016

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 学会等名
      第4回若手による骨格筋細胞研究会
    • 発表場所
      ウィンクあいち(名古屋)
    • 年月日
      2016-11-14
  • [学会発表] 脳疾患、脊髄変性疾患、筋疾患のゼブラフィッシュモデル2016

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 学会等名
      第2回ゼブラフィッシュ創薬研究会
    • 発表場所
      みんなの森ぎふメディアコスモス(岐阜)
    • 年月日
      2016-11-04

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公開日: 2018-01-16  

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