研究課題/領域番号 |
15K14374
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研究機関 | 公益財団法人実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
橋本 晴夫 公益財団法人実験動物中央研究所, その他部局等, 研究員 (30353478)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 胚盤胞補完法 / ES細胞 / キメラマウス / 生殖細胞 / Prdm14 |
研究実績の概要 |
27年度は最初に、既に当研究所で樹立された129系統マウス由来のES細胞であるMM-8にGFP発現ユニットを導入したGFP発現ES細胞のキメラマウス作製能の検討を行った。GFPを指標にマウスの解析を行った結果、MM-8はGFPの免疫染色により肝臓、膵臓、腎臓、精巣に寄与していたが、蛍光下での観察ではGFP発現は弱く、生体でのMM-8のモニターは困難であると思われた。そこで、大阪大学で樹立されたEGR-G101を分与して頂き、キメラマウス作製能の検討を行った。その結果、現在蛍光下で生体のままGFP発現を確認できるキメラマウスを得ることができた。従って、EGR-G101にて生殖器に寄与しないES細胞を樹立することにした。 生殖器に寄与しないES細胞は、MM-8にて既に樹立していたが、EGR-G101はキメラマウスのGFP発現検索に適している。さらに、MM-8ではPrdm14遺伝子に対するshRNA発現ユニットの導入により作製したが、近年ゲノム編集技術が台頭しており、Prdm14遺伝子のノックアウトはshRNAによるノックダウンより確実であるため、EGR-G101のPrdm14遺伝子のノックアウトを作り直すことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
GFP発現ユニットを導入して樹立したES細胞のGFP発現は、予想よりも低く、蛍光下での外貌での寄与の判断が難しかったため、トランスジェニック由来のGFP発現ES細胞に切り替えた。これらのES細胞のキメラ作製能の検証で本年度を費やしたため、進行度は遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
Prdm14遺伝子に対するCRISPRのベクターは、既に構築済みである。 Prdm14遺伝子のshRNAの場合、そのユニットでトランスジェニックマウスを作成し、生殖器が発生しないことを確認しなければならない。しかし、CRISPRによるノックアウトの場合、そのステップを省略できるため、27年度での遅れを取り戻せるものと予測している。
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次年度使用額が生じた理由 |
既に樹立したES細胞のGFP発現が、マウス(in vivo)では予想に反して悪く、大阪大学からの入手とそのキメラ作製能の検定に時間を要し、実験スケジュールが遅れたため未使用の金額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度では、Prdm14遺伝子のshRNAからCRISPRによるノックアウトに切り替える。Prdm14のCRISPR用のベクターがサンタクルズ(SC-436411-HDR)から販売されている。この購入に27年度の未使用分を充当し、Prdm14ノックアウトES細胞の樹立を行う予定である。
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