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2015 年度 実施状況報告書

大腸で再現性よく腫瘍を発生するマウスモデルの作出

研究課題

研究課題/領域番号 15K14392
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

小島 康  愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (30464217)

研究分担者 ORIM FLORENCE  愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, リサーチレジデント (90750810)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード大腸がん / 実験動物
研究実績の概要

現在、日本では1日あたり100人以上の大腸がん患者が死亡し、2020年には、大腸がんは、日本人が最も多く罹患する悪性腫瘍になることが予想されている。進行大腸がんは、既存の古典的な化学療法薬に抵抗性を示し、治療困難となることが多い。現在、新機軸の大腸がん治療薬の開発が盛んに行われ、さまざまな「大腸がんマウスモデル」がその開発に重要な役割を果たしてきた。しかしながら、現在、使用されている「大腸がんマウスモデル」は、小腸病変が大部分で、大腸病変は僅かしか発生しないという大きな問題点が存在する。本研究計画では、この問題を解決するため、大腸に再現性よく腫瘍を発生するマウスモデルの作出を目指している。その目的のため本研究計画では、以下の3つの目標を設定している。

1)小腸上皮幹細胞と比較して、大腸上皮幹細胞で高発現している遺伝子を同定する。
2)1)で同定した有望なマーカー遺伝子のプロモーター下流にタモキシフェンCreを導入したトランスジェニックマウスを作出する。
3)2)で作出したトランスジェニックマウスと変異型βカテニン発現マウスCtnnb1lox(ex3)と交配させて大腸で再現性よく腫瘍を発生する「大腸がんマウスモデル」の作出を試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

公共データベースのDNAマイクロアレイ再解析などの予備的検討から、27個の候補遺伝子が小腸より大腸で高発現が可能性が示唆された。2つの候補遺伝子が小腸と比較して大腸で高発現をしていることを定量的PCRにて確認した。現在、大腸の間質ではなくて上皮で高発現しているかについての検証を行っている。上記の27個の遺伝子は、主にDNAマイクロアレイの結果を組み合わせて抽出したものである。DNAマイクロアレイとRNA-seqによる遺伝子発現解析はよく相関することが知られているが、完全には一致しない。重要な大腸上皮幹細胞マーカー候補遺伝子の取りこぼしを避けるため、RNA-seqによる解析を計画した。そのため、大腸Lgr5陽性細胞と小腸Lgr5陽性細胞の効率のよい単離法の検討を加えている。

今後の研究の推進方策

大腸上皮にて高発現しているマーカー遺伝子の同定を完了後、すぐにBAC-Creトランスジェニックマウスの作出および解析に着手する。RNA-seqによる大腸上皮幹細胞マーカー候補遺伝子抽出に関しては、効率のより単離法が確立できなかった場合は、RNA-seqによる大腸上皮幹細胞マーカー候補遺伝子抽出の取り組みを中止する。

次年度使用額が生じた理由

研究業務に集中するため計画して学会の参加を取りやめた。
試薬購入に関して、少額の4029円の残余が発生した。

次年度使用額の使用計画

4029円の少額のため、研究計画に変更はない。

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公開日: 2017-01-06  

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