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2015 年度 実施状況報告書

癌幹細胞を標的とするT細胞受容体様抗体迅速単離法の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K14405
研究機関富山大学

研究代表者

磯部 正治  富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (70211050)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードモノクローナル抗体 / がん抗原
研究実績の概要

がん幹細胞で発現する抗原由来のペプチドがMHCクラスI上に提示された複合体(pMHC)を抗原として実験動物に免疫し、得られたリンパ球の中から蛍光標識抗原陽性の抗原特異的形質細胞画分をセルソーターによって単一細胞として分取した。独自開発の単一細胞由来cDNA自動合成装置を用いて、得られた単一細胞から5’RACE法用のcDNAを合成した。このcDNAを鋳型に重鎖ならびに軽鎖可変領域の増幅を行った後、独自開発の標的配列選択的結合PCR(TS-jPCR)法を適用することで、それぞれの抗体可変領域の上流にプロモーター配列、下流に抗体定常領域とポリA付加シグナルを有する直鎖上DNA分子を合成した。得られた直鎖状DNA断片をトランスフェクション試薬と混合し、Expi293細胞に遺伝子導入を行った。培養3日目に上清を回収し、がん抗原由来のペプチドが乗ったMHCクラスI (HLA-A24) 分子を陽性抗原とし、がん抗原とは無関係なペプチドが乗ったMHCクラスI (HLA-A24) 分子を陰性抗原としたELISA法を行い、発現させた各抗体の中から求める特異性を示す抗体を選別した。次に、空のHLA-A02分子とHLA-A24分子を発現するT2-HLA-A2401細胞を用いて、外から種々の抗原ペプチドを加えることによって細胞表面で抗原ペプチドとMHC分子との複合体を人工的に再構成させ、得られた抗体のこれら抗原分子に対する反応性と特異性を評価した。その結果、目的の抗原ペプチドとHLA-A24分子の複合体に対して良好な選択性を示す抗体クローンを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画書に記載したのとほぼ同様の成果が得られているため。

今後の研究の推進方策

得られた抗体の特異性と親和性をより詳細に評価するとともに、標的抗原由来ペプチドとHLAの複合体を発現する細胞に対する細胞障害活性の有無について解析を進めることで、創薬シーズ抗体としての可能性を見極めたい。

次年度使用額が生じた理由

次年度にがん幹細胞からの遺伝子発現プロファイルの解析を計画しており、多数のDNAマイクロアレイを使用する必要がでてきたため、本年度は経費の節約を行った。

次年度使用額の使用計画

DNAマイクロアレイの解析には1検体あたり10万円程度の経費が必要で、次年度は本年度節約した100万円程度をこの経費にあてる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Novel method for the high-throughput production of phosphorylation site-specific monoclonal antibodies2016

    • 著者名/発表者名
      Nobuyuki Kurosawa, Yuka Wakata, Tomonao Inobe, Haruki Kitamura, Megumi Yoshioka, Shun Matsuzawa, Yoshihiro Kishi & Masaharu Isobe
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 25174

    • DOI

      10.1038/srep25174

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [産業財産権] 抗原特異的モノクローナル抗体作製方法2015

    • 発明者名
      黒澤信幸、磯部正治
    • 権利者名
      富山大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2015-157859
    • 出願年月日
      2015-08-10

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公開日: 2017-01-06  

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