本研究ではナノポアシークエンサーを用いて熱帯感染症不明熱病原体を同定する方法論開発を試みた。ランダムプライマーを用いた増幅系については実験ノイズが大きく安定したプロトコールを確立することができなかったが、代表的なウィルス性、細菌性、寄生虫性感染源であるデングウィルス、16S rRNAによる汎細菌性感染源、熱帯熱マラリア原虫については安定した検出系を構築することができた。また開発された実験系を用いて、インドネシアマナド地域で50症例の感染症患者から感染源を同定できた。そのゲノムについて薬剤耐性関連遺伝子の塩基多型を解析することが可能であり患者治療戦略の策定に際し重要な情報を与えると考えられた。
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