研究課題/領域番号 |
15K14420
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆司 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90201326)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バイサルファイトシーケンス / キャリアDNA / PBAT |
研究実績の概要 |
単一細胞メチローム解析は、我々が独自に開発したPBAT法を用いて英国のグループから報告がなされたが、そのデータの品質はまだまだ不十分である。我々は、ランダムプライミングに基づくPBAT法をベースに、その方法の弱点を逆に利用することによるサブシングルセル解析を提案した。 しかしながら、研究の過程において、従来法の弱点とされたランダムプライミングを用いずに行う新しいPBAT法の着想が得られて、その開発が急速に進み始めた。この方法は、バイサルファイト変換を受けた変性ssDNAの末端にTdTで修飾ヌクレオチドを導入した後に、アダプタと化学的にライゲーションを行うものである。既に一連の要素反応については有効性が検証済みである。この方法の導入によって、ランダムプライミングによるPBAT法の弱点であるGC含量によるカバレージバイアスが解消されると同時に、また極微量を扱う際のキャリアDNAとして末端を有しない環状DNAの利用も可能になることから、サブシングルセル解析における有効性も示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新しい原理によるPBAT法の開発に進展が見られ、その利用によって当初計画よりも高品質のサブシングルセル解析の実現が視野に入って来た。そのため、旧来法に基づくサブシングルセル解析よりも、新技術の開発を優先させることに方針を変更したためにやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
新しい原理によるPBAT法の確立を急ぎ、次年度中にこれを活かして、当初計画よりも質の高いサブシングルセル開発の実現を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新しい原理によるPBAT法の開発を待って、より質の高いサブシングルセル解析を行うことを目指すように、研究方針を変更したために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
新しい原理によるPBAT法の確立を待って、当初計画と同様にサプシングルセル解析への適用を行う。
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