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2015 年度 実施状況報告書

一塩基同定・一分子定量精度をもつゲノムワイド非コードRNAデジタル計数法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K14425
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

城口 克之  国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 上級研究員 (00454059)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードシークエンス / デジタル計測 / バーコード
研究実績の概要

申請者らは、独自に開発した“分子バーコーディング”法の標準化を目標に、低コスト化と同時に測定分子数のダイナミックレンジの拡大を行ってきた。この方法は、polyAが付加しているRNAを対象に行ってきたが、本研究では、その測定対象の範囲をpolyAが付加していないRNAに拡張することを目的としている。この技術により、一塩基の精度で配列を同定でき、一分子の分解能で定量計測できる技術の世界標準化を目指している。
polyAが付加していないRNAの最初の測定モデルとして、small RNAを対象にしている。small RNAは20塩基程度であり、polyAのように共通配列を持たないため、分子バーコードをligation反応で付加して、ターゲット配列と分子バーコード配列を1対1対応させる。その後増幅して、同じターゲット配列をもつ分子に対する分子バーコード配列の種類を計数する。これにより、バーコード配列が付加した増幅前の分子の絶対数を定量できる。この時、同じバーコード配列を持つ分子は同じ分子から増幅されたことを意味するので、ターゲット配列に増幅エラーやシークエンスエラーがあっても、増幅された複数の分子の配列から、多数決の原理で増幅前の配列を高精度に決定することができる。
ここで重要なのは、分子バーコード配列をターゲット配列に結合させる効率である。まず、20塩基程度の合成RNAを購入し、その3'に一本鎖DNAを結合させることを試みた。特異的に結合させるために、一本鎖DNAの5'末端をアデニレート化し、アデニレーションに特異性を持つ酵素を用いてRNAの3'へライゲーションした。様々な条件で反応を行いゲルで確認したところ、安定して50%程度のRNAに一本鎖DNAを結合させることができた。この結果は、次の段階への大きな一歩となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

RNAに対する一本鎖DNAの付加について安定した結果を得るために時間を要したが、最終的によい結果を得られた。次のステップへ進むことができるという点では、よい進捗となっている。一方で、昨年度中に線形増幅反応にトライしたいと思っていたので、その点を考慮して「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

・バーコードを付加したRNAの線形増幅を行う
・cDNAを環状化して増幅する。もしくは、RNAの5'側にアダプターを付加して増幅する。
・シークエンスを行う

次年度使用額が生じた理由

「現在までの進捗状況」に記したように、予定していた第二ステップの反応まで達成できなかったので、それに伴う試薬の購入などをしなかったため。

次年度使用額の使用計画

第二ステップの反応をテストするための試薬の購入などに使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Genome-wide Digital mRNA Counting Using "Molecular Barcoding" and Its Application for Differentiation Study2015

    • 著者名/発表者名
      Katsuyuki Shiroguchi
    • 学会等名
      BIT’s 5th Annual World Congress of Molecular & Cell Biology -2015
    • 発表場所
      Nangjing (China)
    • 年月日
      2015-04-26
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] JSI Newsletter2016

    • 著者名/発表者名
      城口克之
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      日本免疫学会

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公開日: 2017-01-06  

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