多能性幹細胞(ヒトiPS細胞など)のゲノムは、突然変異率が低く非常に安定している。 ゲノムがどのように安定に維持されているかを知ることは重要であり、一方で、突然変異を容易に検出することのできるシステムの開発は有用であると考えられる。 本研究では、ミスマッチ修復(MMR)タンパク質に焦点を当て、(1)ヒト培養細胞におけるDNA修復および細胞死誘導の関連を明らかにしたとともに、(2)ゲノム編集技術によりMMRを欠損したヒトiPS細胞を樹立し、これがミューテーターとなっていることを確認した。 我々の新しい知見は、多能性幹細胞のゲノム維持機構の解明と高感度変異検出法の確立につながると考えられる。
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