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2016 年度 実績報告書

縦列反復配列の正確な塩基配列決定

研究課題

研究課題/領域番号 15K14435
研究機関京都大学

研究代表者

古賀 章彦  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (80192574)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード反復配列 / 塩基配列決定 / 変異導入 / コンセスサスハイレツ / トランスポゾン
研究実績の概要

縦列反復配列の塩基配列の決定は、既存の方法では、高い正確性は期待できない。シーケンスリードをつないでコンティグ配列を組む際に、実際にはつながっていないリードの間でも重なりが生じ、つながりの判定が困難であるためである。これを克服する方法を開発することを、本課題の目的に設定した。
考案した方法の原理は、以下のようである。まず、長いクローンにランダムな変異を人為的に導入し、多数の二次クローンを作製する。そして二次クローンの塩基配列を、従来の方法で決定する。得られたデータのコンセンサス配列は、元のクローンの塩基配列であると推測することができる。
計画に沿って、マーモセットのセントロメア反復配列のクローンを対象として、開発を行った。このクローンは、全長が40 kbで、344塩基対の反復単位を100個以上含んでいる。1年目に変異導入の条件を決める作業を行い、2年目に二次クローンの塩基配列決定とコンセンサス配列の推測を行った。その結果を、以前開発した別の方法で得ていた結果と比較し、ほぼ同等の正確さであることを確認した。すなわち、通常の塩基配列決定法で得られるデータより、正確性ではるかに勝るものであることを、証明できた。
別の方法とは、トランスポゾンを利用して、リードの位置情報を基にコンティグ配列を組むものである。2つの方法でほぼ同等ということは、かかるコストが、実用に向くかどうかを決める大きな要因となる。今回考案した方法は、以前開発した方法の3倍以上のコストを要する。準備する二次クローンが20個以上必要であることがわかったが、このように数が多いことが主な理由である。したがって、トランスポゾンの利用の方が実用には適しているとの結論となった。より勝れた方法の開発には至らなかったが、新しいアイデアを試すという、挑戦的萌芽研究の趣旨に沿った研究となったとは、自負している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Night monkey hybrids exhibit de novo genomic and karyotypic alterations: the first such case in primates2017

    • 著者名/発表者名
      *Hirai H, Hirai Y, Morimoto M, Kaneko A, Kamanaka Y, Koga A
    • 雑誌名

      Genome Biology and Evolution

      巻: 9 (4) ページ: 945-955

    • DOI

      10.1093/gbe/evx058

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Formation of functional CENP-B boxes at diverse locations in repeat units of centromeric DNA in New World monkeys2016

    • 著者名/発表者名
      Kugou K, Hirai H, *Masumoto H, *Koga A
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 (6) ページ: 27833

    • DOI

      10.1038/srep27833

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Amplification of tandem repeat DNA may be responsible for a rapid shift from diurnality to nocturnality in a primate taxon2016

    • 著者名/発表者名
      Koga A, Tanabe H, Hirai H
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
    • 招待講演
  • [学会発表] セントロメア反復配列の急速な入れ替わり:テナガザルとヨザルの例2016

    • 著者名/発表者名
      古賀章彦、平井啓久
    • 学会等名
      日本遺伝学会第88回大会
    • 発表場所
      日本大学国際関係学部(静岡県三島市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
  • [学会発表] Rapid replacement of centromeres by a varianttype repetitive DNA in a primate taxon2016

    • 著者名/発表者名
      Koga A
    • 学会等名
      Society for Molecular Biology and Evolution Conference 2016
    • 発表場所
      Gold Coast Convention and Exhibition Centre (Australia)
    • 年月日
      2016-07-03 – 2016-07-07
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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