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2017 年度 実績報告書

二次的小分子RNA生成における反応モジュール間連動機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K14444
研究機関東京大学

研究代表者

岩川 弘宙  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60710415)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードRNAサイレンシング / RNA依存性RNAポリメラーゼ / siRNA
研究実績の概要

これまでの研究で、RDR6はポリA鎖を欠いた異常なRNAを特異的に二本鎖化することを発見し、論文として報告した。
平成29年度はポリA鎖を嫌うメカニズムを解析した。また、RISCによる認識・切断モジュールが相補鎖合成モジュールに与える影響も解析した。
RDR6には、アミノ末端にRNA結合ドメインとして知られているRRMドメインが、カルボキシ末端にRdRPドメインが存在する。RRMドメインが鋳型特異性に必要かを調べるため、RRMドメイン欠失変異体を作製し、相補鎖合成実験を行ったところ、変異体も、野生型と同様の相補鎖合成活性を持つと共に、ポリA鎖を嫌う特徴も保持していた。以上のことからRdRPドメインにポリA鎖を嫌う機能が存在することが示された。次にRdRPドメインと鋳型RNAとの結合親和性を解析した。その結果、ポリA鎖の有無は鋳型RNAとRDR6との結合に影響を与えないことが明らかになった。これらの結果より、RDR6は単純な結合親和性の違いで鋳型選択をしているわけではなく、相補鎖合成の開始段階で選択していることが示唆された。
RISCによる認識・切断モジュールが相補鎖合成モジュールに与える影響を調べるため、タバコ抽出液内でRDR6による相補鎖合成を解析する実験系の開発を行った。その結果RDR6による相補鎖合成は、RISCによる認識・切断モジュールに加えて、SDE5というImportin様タンパク質を加えることが必須であることが明らかになった。この結果、様々な反応阻害因子が存在する環境では、RDR6のみでは鋳型RNAを効率よく相補鎖合成できず、RISCによる標的認識とSDE5という補助因子がRDR6を含む相補鎖合成モジュールの活性化に必須であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] In vitro RNA-dependent RNA Polymerase Assay Using Arabidopsis RDR62018

    • 著者名/発表者名
      Baeg K, Tomari Y, *Iwakawa HO
    • 雑誌名

      Bio-protocol

      巻: 8 ページ: e2673

    • DOI

      10.21769/BioProtoc.2673

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Silencing messages in a unique way2017

    • 著者名/発表者名
      *Iwakawa HO, *Tomari Y
    • 雑誌名

      Nature Plants

      巻: 3 ページ: 769-770

    • DOI

      10.1038/s41477-017-0028-2.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biochemical and single-molecule analyses of the RNA silencing suppressing activity of CrPV-1A2017

    • 著者名/発表者名
      Watanabe M, Iwakawa HO, Tadakuma H, Tomari Y
    • 雑誌名

      Nucleic acids research

      巻: 45 ページ: 10873-10844

    • DOI

      10.1093/nar/gkx748.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 植物のRNAサイレンシング機構が自己のmRNAを攻撃しないメカニズム2017

    • 著者名/発表者名
      岩川 弘宙
    • 雑誌名

      植物科学最前線

      巻: 8 ページ: 58-70

    • DOI

      10.24480/bsj-review.8b4.00114

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The poly(A) tail blocks RDR6 from converting self mRNAs into the substrates for gene silencing2017

    • 著者名/発表者名
      Kyungmin Baeg, Hiro-oki Iwakawa, Yukihide Tomari
    • 学会等名
      12th Microsymposium on small RNA biology
    • 国際学会
  • [学会発表] 非自己核酸と防御2017

    • 著者名/発表者名
      岩川 弘宙
    • 学会等名
      分生研シンポジウム「生命科学の若手フロンティア」
  • [図書] Plant Argonaute Proteins: Methods and Protocols: In Vitro Analysis of ARGONAUTE-Mediated Target Cleavage and Translational Repression in Plants2017

    • 著者名/発表者名
      Tomari Y, Iwakawa HO* Editor Carbonell, Alberto
    • 総ページ数
      297頁(担当:17頁)
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      9781493971640
  • [備考] researchmap 岩川 弘宙

    • URL

      https://researchmap.jp/Hiro_Iwa/

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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