研究課題
Zscan4はマウス着床前胚2細胞期とES細胞で特異的に発現することが知られている。マウスES細胞は、少なくとも9回の継代のうちに一度の割合で” Zscan4陽性期”を経ることが示されている。この時期は、あたかも着床前初期胚を模倣するzygotic遺伝子群の活性化と減数分裂関連遺伝子の異所的な発現を特徴とする。しかしながら減数分裂関連遺伝子の活性化とZscan4活性化との相互関係については不明のままとされていた。本研究では内在性Zscan4遺伝子クラスターのZscan4c遺伝子座にGFPをノックインしたES細胞およびマウスを作製して、内在性Zscan4の発現パターンの解析を行った。その結果、ES細胞内の内在性Zscan4cの発現パターンは全Zscan4陽性ES細胞のうち約30%であることが判明し、特定のZscan4遺伝子座のみがstochasticに活性化されていることが示唆された。in vivoにおける内在性Zscan4の発現の検討の結果、着床前初期胚のみならず、meiotic prophaseの後期に相当するGV oocyteおよびパキテン期の精母細胞でZscan4の発現が見られることが判明した。興味深いことに、GV oocyte のうちNSNと呼ばれる集団ではZscan4は核内に均一に観察されるのに対して、RNA pol II による転写が不活性化されているSNと呼ばれる集団ではdot状の核内配置を示すことが明らかとなった。これらの結果はZscan4が着床前初期胚のみならず生殖細胞においても何らかの機能を持つことを示唆している。さらにZscan4のin vivoにおける機能を解析するために、Zscan4遺伝子クラスター領域全体を欠失させたES細胞・マウスの作製を試みている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件)
In Vitro Cell Dev Biol Anim.
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