研究課題/領域番号 |
15K14455
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
平野 達也 国立研究開発法人理化学研究所, 平野染色体ダイナミクス研究室, 主任研究員 (50212171)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 染色体 / クロマチン / ヌクレオソーム / コンデンシン |
研究実績の概要 |
(1)カエル卵抽出液で形成されるミニ染色体を用いた解析 ビオチン標識した5.2 kbの2重鎖環状DNAをカエル卵抽出液とインキュベートすることにより、「ミニ染色体」を構築した。このミニ染色体をストレプトアビジンビーズに回収し、質量分析によってタンパク質組成を解析した結果、精子クロマチンとカエル卵抽出液をインキュベートして形成される染色体のタンパク組成とよく一致していることがわかった。さらに、異なる長さの環状DNA(9.7 kb, 25 kb)を基質として、同様にカエル卵抽出液中でミニ染色体を構築した。そこに回収される内在性のコンデンシンの量を検討した結果、単位長あたりのコンデンシンIの密度は異なる長さの基質の間で大きく変わらなかった。これに対して、コンデンシンIIは長いミニ染色体により高密度で回収される傾向があった。一方、長いミニ染色体ではヌクレオソーム形成効率が低減していた。
(2)精製したミニ染色体を用いた解析 内在性のコンデンシンを除去したカエル卵抽出液中でミニ染色体を構築した。その反応液をショ糖勾配遠心で分画し、ミニ染色体を溶液中に回収する方法を確立することに成功した。単離したミニ染色体を外来性のコンデンシンとインキュベートことにより、両者の相互作用を解析することが可能になった。これらの新たな実験系を組み合わせることで、精子クロマチンを基質とした実験系では得られなかった、より詳細なコンデンシンの分子メカニズムの理解が可能になると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H27年度に計画していた実験系の構築に成功した。興味深い結果も得られつつある。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は順調に進んでいるので、予定通りH28年度の計画を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の受領額のうち99.3%を支出したが、残りの少額端数にあわせた物品購入が困難であった。
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次年度使用額の使用計画 |
残額に合わせた物品の購入を行う。
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