研究課題
本研究では、独自に開発した改変型共免疫沈降法である『観るだけでわかるタンパク質間相互作用解析法:visible immunoprecipitation assay(VIPアッセイ)』に関して、マイクロプレートによりアッセイが可能になるように改良するとともに、このアッセイを用いてさまざまな結合タンパク質のスクリーニングを行うことを目的とした。まず、共免疫沈降に用いるGST融合型抗GFP-Nanobodyに関して、これまでの検討結果でもっとも吸着性の高かったポリスチレン(PS)親和性ペプチド配列をタグとして用い、PSマイクロプレートへの吸着条件、およびプレート洗浄の条件の最適化を図った。PSタグNanobodyは、BSAや界面活性剤のTween20の存在下においても、PSマイクロプレートに対して高い吸着性を示した。ただし、感度はグルタチオンセファロースビーズを用いる通常の共免疫沈降系と比べてはるかに悪かった。そこで、抗GST抗体を二次抗体、抗ウサギIgGを三次抗体として用いてシグナルを増幅し、最終的にELISAで検出することを検討した。さまざまな比率で二次抗体と三次抗体を試し、最適の比率条件を決定した。そして、ELISAで検出することによって、高感度化に成功した。さらに、GST融合型抗GFP-Nanobody(一次抗体)、二次抗体、三次抗体の添加に関して、One-Step、Two-Step、Three-Step添加法を試し、One-Step法での高感度化を達成できた。ただし、ELISAを用いる方法ではVIPアッセイの利点(すなわち簡便であること)を十分には活かせていないことから、実用化のためには今後の検討が必要である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件)
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