本研究はGタンパク質共役型受容体(GPCR)の結晶化を促進するバインダー抗体、あるいはGPCRの機能を制御する機能性抗体を効率的に取得するための、抗原の開発を目的とする。まず高親和性型ヒスタミン受容体の改変体について、出芽酵母を用いた大量調製系を改良した。調製した受容体タンパク質を、C末端のHis-tagを介してビーズに固定化し、脂質とアジュバントによる脂質二重膜で表面を覆った“抗原粒子”を作製した。抗原粒子とプロテオリポソームをマウスに免疫し、血清の受容体結合性をELISAで比較したところ、抗原粒子において受容体の細胞外領域を認識する抗体の割合が高いことを示唆する結果が得られた。
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