細胞内内膜内の反応はごく狭い容積において行われるので、その容積の変化が反応自体に影響すると予想される。細胞内の内膜を高い時空間分解能で観察した場合に小胞体で不規則な細かな揺らぎが発生している事に注目し、この現象の定量的解析とその細胞機能への影響の可能性について調べた。内腔にトラップされた凝集体の速度解析等により、この動きは小胞体に特有で他の内膜では観察されず、多くの細胞でほぼ一定量の変化率からなることがわかった。これは小胞体膜の活性により発生し微小管結合により抑制され温度依存性は見られない。解析ではこの構造揺動は少なくとも内腔での蛋白の熱運動による変位を増大させる事が示唆された。
|