キナーゼの多くは、柔軟なリンカーで連結されたマルチドメインで構成される全長構造をもつ。本研究では、ドメイン間の配置とその変化(活性化)を、全長のキナーゼの分子構造レベルで可視化し、不活性型から活性化に至る制御機構を明らかにすることを目的としている。まずsortaseによるライゲーションによる再構成を試み、Protein Kinase CのキナーゼドメインとC1Bドメインの連結に成功した。また、全長での構造解析に必要な長距離情報を得るためのスピンラベルプローブとして、DOTA-M8を合成し、実際に常磁性効果(PCS)のNMRによる観測に成功した。
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