タンパク質のX線溶液散乱法(BioSAXS)は溶液中での分子概形を解析可能な手法である。しかし、測定は通常室温で行なわれるため、高輝度放射光を用いた測定では放射線損傷の効果で正しい構造を得ることが困難な場合も多い。本研究では、0℃以下の低温における溶液散乱測定解析を実現させるための測定や解析法の開発を行なった。グリセロールを抗凍結剤として使用し、-100℃までの範囲で試料溶液に含まれる水の凍結防止に必要なグリセロール濃度を調査した。最終的に、-50℃までの低温で精度良くSAXS曲線を得ることが可能となった。
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