研究課題/領域番号 |
15K14487
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 健治 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20311350)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 化学発光 / ホログラフィー / 超解像顕微鏡 / イメージング / 3次元 |
研究実績の概要 |
化学発光による生物試料の観察は、蛍光観察に必須である励起光照射を要しないため光毒性や自家蛍光を排除できる上に、光遺伝学(オプトジェネティクス)との併用が可能な点など、様々な利点がある。その一方で、照明光学系が存在しないため、光学断層観察や超解像観察などを行うことができないという欠点を有していた。本研究では、発光試料から射出する光のみで、走査することなく3次元光学断層像を得ることが可能なフレネル非干渉光相関ホログラム(FINCH) 法に波面収差補正光学系を組み合わせた光学系を構築し、研究代表者が開発した超高発光タンパク質を光プローブとして用いることで、高速(ミリ秒)・3次元・超分解(50 nm)・光学断層(<100 nm)像を得る"超解像発光ホログラム顕微鏡(SR-BLINCH)"を開発し、光学イメージング法を革新することを目指す。 本年度は連携研究者のBrooker博士が開発したFINCH光学系(BrookerらOpt. Lett. 2013)において化学発光イメージングが可能かどうかについて検討を行った。蛍光タンパク質とウミシイタケルシフェラーゼのハイブリッドタンパク質である高光度化学発光タンパク質Nano-lanternをHeLa細胞に発現させ、蛍光によるホログラフィー観察を確認後、化学発光においても同等程度の画像取得が可能であることを確認した。さらに、FINCH光学系の空間分解能を向上させるための補償光学系の挿入場所の光学デザインを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
連携研究者のBrooker博士が開発したFINCH光学系(BrookerらOpt. Lett. 2013)において化学発光イメージングが可能かどうかについて検討を行い、化学発光においても同等程度の画像取得が可能であることを確認できたことは最初のハードルをクリアしたに等しい。従っておおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
FINCH光学系に形状可変ミラーと波面センサーを組み合わせた光学系を挿入し、空間分解能を比較する。空間分解能は蛍光量子ドット一個のホログラムから得た再生像のPSF(点像分布)を算出することで評価する。また、異なる開口数、倍率の対物レンズや画素サイズの異なるカメラを用いた場合のホログラム形成およびPSFへの影響を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、研究室既設の光学システムを活用して実験を進めることが出来たため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
FINCH光学系に形状可変ミラーと波面センサーを組み合わせた光学系を構築するためには、今年度購入予定としていた光学部品が必要となるため、その購入費に充てる。
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