膜タンパク質の機能を1分子で定量的に評価することは、重要かつ困難な課題である。本研究は、膜タンパク質機能を計測する新しい方法論を創出することを目的として、ガラス基板と高分子エラストマー(ポリジメチルシロキサン:PDMS)にはさまれた厚さ10~100 nmのナノ空間にパターン化人工膜を形成し、膜タンパク質を超高感度(1分子)で解析する技術を開発した。接着層として、高分子ブラシ被覆シリカ微粒子を用いることで、厚さを厳密に制御し、非特異的吸着を抑制したナノ空間を実現した。モデルタンパク質として、ウシガエル視細胞由来のロドプシンを導入し、ナノ空間内部で1分子蛍光観察することに成功した。
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