研究課題
Secトランスロコンを経由するタンパク質の膜透過は、すべての生物に保存されている。イオンや小分子などの透過は最小限のもと、タンパク質という巨大な分子を膜透過させるためには、生体膜に専用のシステムが必要である。このシステムはいくつかのSecタンパク質が集まった複合体である。バクテリアにおいては,チャネルを形成するSecYEG複合体,タンパク質の膜透過を駆動する因子としてSecDFとSecAが含まれる。SecDFはプロトン駆動型のモータータンパク質と考えられており、SecAはATPaseでありATPの加水分解のエネルギーを利用する。タンパク質の膜透過過程において、これらのタンパク質はSecトランスロコンと相互作用して機能するが、これらのモータータンパク質がどのように構造変化を起こしタンパク質の膜透過を駆動しているのかについては、不明な点が多い。本研究では、タンパク質膜透過におけるSec因子の構造変化を1ユニットで明らかとすべく、新規の動的探査系を組むため、膜骨格タンパク質を用いてナノサイズのディスクを構築し,その評価を進めてきた。同時に、膜に組み込んだ状態または膜に結合した状態のこれらSec因子の構造変化を明らかとすべく、高速原子間力顕微鏡を用いて解析を進めた。その結果、SecA,SecDFともに,タンパク質も基質と結合すると考えられる領域が可動性に富んでいることが明らかとなった。本研究で得られた結果は、他プロジェクトで進めたSec因子の構造機能解析とあわせて、報告する予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
Cell Reports
巻: 印刷中 ページ: 印刷中