本研究の目的は、ヒトES細胞由来の栄養芽幹細胞を立体マトリックスで培養し、胎盤状の構造(絨毛状構造=villus等)を生み出す条件を発見するということだ。突起状のPDMS(ポリジメチルシロキサン)マトリックスにプラズマ処理を行うとヒトES細胞がマトリックスに結合、増殖、栄養芽幹細胞に分化できた。更に、マトリックスを培養地に浮かせて、その裏面で培養すると、非増殖性の絨毛状構造及び胎盤が発する合胞体性結節=syncytial knotに似た多核細胞塊の発生が観察できた。現在、その多核細胞塊がどれほど実際の合胞体性結節であるかを細胞学的に調べている。
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