研究成果の概要 |
ダイニンは動物細胞で微小管上をマイナス端方向へと長距離歩行できる唯一のモータータンパク質であり、微小管上のカーゴ(積み荷)の逆行輸送(マイナス端方向への輸送)をはじめ、微小管が関与するほぼ全ての細胞内運動に必須の役割を果たす。ところが、植物は逆行輸送を遂行するにも関わらず、進化の過程でダイニン遺伝子を失った。では植物はどうやってこれらのプロセスを遂行しているのだろうか?本研究では、ヒメツリガネゴケを材料として、植物の逆行輸送モーターの同定に挑戦した。そして、陸上植物で高度に保存された3つのキネシン14(KCBP、KCH, ATK)が、核や葉緑体、そして微小管自体の逆行輸送を担うことを発見した。
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