研究課題
葉緑体は光合成によるエネルギー生産を行う植物特有の重要なオルガネラであり、その配置は光環境に応じて適切に制御されている。本研究課題は、ヒメツリガネゴケを材料に葉緑体の配置機構を制御する新規因子を化合物ライブラリースクリーニングから同定することである。昨年度までに、合計20000化合物のスクリーニングを行い、葉緑体配置に影響を与える9つのヒット化合物を同定した。ヒット化合物の構造活性相関を行った結果、構造が大きく異なる4つのグループに大別されたことから、葉緑体配置を制御する複数の因子に対する化合物が得られていることが期待された。今年度は、4つのグループのうち5化合物を含む1つのグループに着目し、薬効効果をより詳細に解析するためタイムラプスイメージングを行った。その結果、4つの化合物で表現型を確認できた。さらに、類似化合物のタイムラプス解析を進めたところ、新たに表現型を示す3つの化合物を同定した。タイムラプス解析により明らかになった表現型を示す合計7化合物の構造を比較したところ、すべてに共通する2つの5員環構造を見出した。さらに、共通しない構造部分はすべて同じ部位から伸びており、活性を維持したまま機能性反応基を入れることが可能であることが示唆された。さらに、共通骨格のみの化合物を入手し評価したところ十分に活性をもつことが明らかとなり、このグループで活性のある最小の化合物であることが示唆された。
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