グレリンは28アミノ酸残基からなるペプチドホルモンである。3番目のセリン残基には中鎖脂肪酸が結合しているが、中鎖脂肪酸の由来については不明な点が多い。普通食と無脂肪食を与えたマウスの血漿アシルグレリン濃度と胃のアシルグレリン細胞数を比較した結果、普通食群と無脂肪食群の間に差は認められなかった。腸内細菌除去したマウスでは血中アシルグレリン量と胃のアシルグレリン細胞数は減少しなかった。グレリン産生細胞株(PG-1)にβ酸化阻害剤であるエトモキシルを処理すると、アシルグレリン産生が抑制された。以上の結果は、グレリン細胞によって長鎖脂肪酸を分解することで産生される中鎖脂肪酸を利用することが示された。
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