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2016 年度 実施状況報告書

細胞電池の創造-デンキウナギが持つ発電様式の解析と応用利用-

研究課題

研究課題/領域番号 15K14570
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

西 真郎  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋生命理工学研究開発センター, 技術主事 (50416004)

研究分担者 鶴若 祐介  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋生命理工学研究開発センター, 技術研究員 (30533856) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードRNASeq / 発電機構
研究実績の概要

平成28年度は、発電機構を読み解くため、各種条件下でサンプリングしたRNAのシーケンスを行った。
デンキナマズを液体窒素により急冷却し獲得した定常期サンプル (恒常的発現時)、頭部、胸部、腹部、尾部組織と、35-40Vの加電圧条件下でサンプリングした組織からRNAを抽出し、HiSeqによりそれぞれ6Gb のRNASeqを実施した。
得られた生データは、CLC Genomic Workbench によりLow quality領域のトリミングとアセンブルを行い、TransDecoderによりそれぞれのアセンブル配列からORFを抽出した。次に各種のデータベースとの相同性検索による機能付けを行い、それぞれの条件で顕著に多く発現している遺伝子群を精査した。
定常期の検体では、各組織およそ共通して、急激な無期的運動の際のATP供給に関与するcreatine kinase、creatine kinase M-type、また、myosin regulatory light chain 2 skeletal muscle isoform、skeletal muscle actin mutant、ハウスキーピング遺伝子のGAPDH-1などが高発現していた。また加電圧時の検体では、細胞骨格に関与するkeratin, type I cytoskeletal 50 kDa-like isoform X3、keratin, type I cytoskeletal 13-like、keratin, type II cytoskeletal 5-likeや、ictacalcin、elongation factor 1-alpha、actin, cytoplasmic 2などが多く発現している事が明らかになった。今後各種条件下での検体数を増やし詳細な比較解析を行なっていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度の電圧測定実験で明らかとしたように、電圧発生時(細胞興奮時)の間隔が非常に短いため、サンプリングが困難な部分があった。これまでに解析条件等の構築はできているので、平成29年度は、サンプルリングを工夫し多くの検体の解析を行っていく。

今後の研究の推進方策

デンキナマズ、デンキウナギの、様々な細胞条件化においての各組織のRNASeqを行い、比較解析により発電機構を読み解いていく。細胞株樹立に精通のある共同分担者の転出や、グループの実験方針により、細胞株の利用が不可となった。その分をRNASeqに回し、多くの検体数をこなすことで、より精度のある解析を進めていく事にする。

次年度使用額が生じた理由

本年度は想定していた数より解析できた検体数が少なかったため、RNASeq試薬購入費の一部と、委託シーケンスにかかる経費に未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

RNASeq試薬や委託シーケンス費用は、平成29年度に行うRNASeqのために使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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