研究実績の概要 |
最終年度に実施した研究の結果から, 本研究で確立した手法が単純な遺伝子発現量の操作方法としてだけではなく, 神経細胞のクロマチン構造の「ロバストネス」を調べる方法としても有望である可能性が示された. 一方, 当初の計画では, DNA結合ドメインであるTALEをCRY2ドメインに融合し, 一方で, VP64やエピジェネティックファクターをCIB1ドメインに融合したコンストラクトを作製し, 線虫に強制発現し, 単一神経細胞の遺伝子発現量を光で制御することをかかげていた. しかしながら, 研究期間中にこの目標までは達しなかった. 今後は, 得られた線虫が光刺激のない状態で, 強制発現遺伝子の悪影響を受けずに, 通常の野生株と同様の記憶・学習能を有するかどうかを確認し, 実際に単一細胞レベルで光刺激により遺伝子発現量を制御する技術として完成させる. 本研究を通じて得られた結果に対しては, 現在, 論文執筆中であり, 早期の投稿・出版を目指している.
|