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2016 年度 実績報告書

ショウジョウバエNeo性染色体を用いたY染色体の退化過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K14585
研究機関首都大学東京

研究代表者

野澤 昌文  首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (50623534)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード性染色体 / ショウジョウバエ / ゲノム / トランスクリプトーム / 遺伝子退化 / サイレンシング
研究実績の概要

H28年度はNeo性染色体を持つDrosophila albomicansの近縁種でNeo性染色体を持たないD. kohkoaのゲノム配列を、先進ゲノム支援の協力のもと、PacBioシーケンサーを用いて決定した。また、D. albomicansとは独立にNeo性染色体を獲得したD. americanaの近縁種で同じくNeo性染色体を持たないD. texanaとD. novamexicanaのゲノム配列も同様にして決定した。また、これらの種のオスとメスのゲノムのショートリード配列を別々にHiseqシーケンサーを用いて決定した。現在、これらの配列情報を元にまずはメスの高精度ゲノムアセンブリの構築を行っている。これが完了次第、雌雄のショートリード配列をNeo-X染色体配列にマッピングし、オス特異的な変異箇所を置き換えることで、Neo-Y染色体の構築を行う予定である。
また、D. americana、D. texana、D. kohkoa、D. novamexicanaの4種について幼虫、蛹、成虫の雌雄個体のRNA-seqを行った。現在、H27年度に行ったD. albomicans、D. nasutaのRNA-seqのデータと合わせ、遺伝子発現解析を行っている。
得られたデータを解析したところ、D. albomicansでは同じくNeo染色体を持つD. mirandaに比べてNeo-Y染色体上で発現していない遺伝子の割合が高いことが明らかになった。これはD. albomicansの方がより最近Neo性染色体を獲得したことと矛盾する。したがって、Neo-Y染色体上で生じている遺伝子のサイレンシングの多くが突然変異ではなくエピジェネティックな修飾によって生じている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Accelerated pseudogenization on the neo-X chroosome in Drosophila miranda2016

    • 著者名/発表者名
      Nozawa M, Onizuka K, Fujimi M, Ikeo K, and Gojobori T
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 13659

    • DOI

      10.1038/ncomms13659

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 性染色体化はY染色体だけでなくX染色体の退化も引き起こす?:ショウジョウバエNeo性染色体を用いた検証2017

    • 著者名/発表者名
      野澤昌文
    • 学会等名
      性と生殖の懇談会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2017-01-24 – 2017-01-25
    • 招待講演
  • [学会発表] 性染色体の進化:なぜ多くの生物が性染色体を持つのか?2016

    • 著者名/発表者名
      野澤昌文
    • 学会等名
      第88回日本遺伝学会
    • 発表場所
      日本大学三島キャンパス
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 性染色体の退化過程の解明:ORFの破損?それとも転写の停止?2016

    • 著者名/発表者名
      野澤昌文
    • 学会等名
      第18回日本進化学会
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス
    • 年月日
      2016-08-25 – 2016-08-28
  • [学会発表] 性染色体と性的拮抗の進化2016

    • 著者名/発表者名
      野澤昌文
    • 学会等名
      遺伝研研究集会・分子進化学の現状と今後の展望
    • 発表場所
      国立遺伝学研究所
    • 年月日
      2016-08-20 – 2016-08-21
    • 招待講演
  • [備考] 首都大学東京生命科学コース進化遺伝学研究室

    • URL

      http://www.biol.se.tmu.ac.jp/labo.asp?ID=evogen

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公開日: 2018-01-16  

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