遊牧民族と農耕民族の間での生活環境の相違が、エピジェネティクス情報および表現型の多様性に及ぼす影響を全ゲノムレベルで評価するべく、遊牧民族であるモンゴル人24名と、農耕民族であるタイ人24名の末梢血DNAのゲノムワイドメチル化レベルを定量し、集団間でメチル化レベルが大きくことなるCpG配列の同定を試みた。その結果、遊牧集団と農耕集団では、AMP活性型プロテインキナーゼ経路、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体経路などのエネルギー代謝に寄与する遺伝子群のプロモーター近傍のCpG配列が大きなメチル化レベルの差を示すことが明らかになった。
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