研究課題/領域番号 |
15K14614
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
澤田 純明 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (10374943)
|
研究分担者 |
奈良 貴史 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (30271894)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 更新世人類化石 / 旧石器時代 / 北海道 / 洞窟 / 石灰岩地帯 |
研究実績の概要 |
日本列島の人類史を解明するうえで更新世人類化石の研究はきわめて重要であるが、幾多の発掘調査にも関わらずこの時代の人類化石はわずかしか見つかっていない。更新世人類化石を探る従来の発掘は本州と九州に集中しており、多数の旧石器時代遺跡を擁する北海道では人類化石の探索調査がほとんどなされてこなかった。しかし、北海道、とりわけその北部はユーラシア大陸極東ないしサハリンから人類が移動してきた最初の到達地であり、日本列島の初期人類史を解明するうえで重要な地域である。本研究の目的は、北海道北部において石灰岩地帯の洞窟・岩陰を踏査・試掘し、更新世人類化石もしくは人骨の出土を期待できる旧石器時代の洞窟遺跡を探索することである。計画の開始年度である2015年度は、既刊の報告書・論文等に基づき道北における旧石器時代遺跡の分布地図を作成した。この遺跡分布情報をもとに、5月下旬と6月下旬に、共同研究者とともに北海道稚内市、中川町、枝幸町、浜頓別町、中頓別町、士別市、礼文町の教育委員会・博物館等を訪問し、道北の旧石器時代遺跡および石灰岩洞窟について情報収集を実施した。あわせて、同地域の石灰岩地帯、洞窟遺跡、旧石器時代遺跡を踏査し、本州以南に分布する旧石器時代洞窟遺跡の立地条件等を参考にしつつ、試掘調査の候補地を検討した。その結果、これまで発掘されていない洞窟1カ所と複数の石灰岩露頭について、本研究の目的に照らして有望であるとの所感を得た。以上の成果に基づき、次年度は、上記洞窟および石灰岩露頭の試掘候補地を調査するとともに、新たな洞窟・石灰岩露頭を発見すべく踏査を継続する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、2015年度に中頓別町の石灰岩地帯を踏査し、洞窟・岩陰の分布状況を記録することを目的としていたが、これに関してはほぼ達成できた。また、2016年度に試掘を開始する計画に関して、2015年の調査で有望な候補地を選定できたため、計画を順調に進められるとの予想を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
2015年度の踏査で得られた知見に基づき、洞窟と石灰岩露頭の試掘を予定している。また、これとは別に、新たな試掘候補地の探索に向けて踏査を継続する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では踏査を3回実施する予定であったが、踏査2回で有望な試掘候補地を得られたため、本年度の踏査は2回で終了した。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額について、次年度に予定している試掘調査を効率的に進めるため、大学院生等試掘調査補助を増員し、その人件費に充当する。
|