研究課題
(1)北海道枝幸町内のリキピリ洞穴と町内目梨泊石灰岩地帯において踏査を実施、更新世人類・動物化石と旧石器を探索した。踏査において化石・旧石器は得られなかったが、目梨泊石灰岩地帯は化石産出地として有望であるとの予察的所見を得たので、本科研終了後も引き続き探索を実施していくことで共同研究者らと合意した。(2)本科研の研究成果をまとめ、「枝幸研究」10号に論文として発表した(澤田純明・福井淳一・高畠孝宗、「道北更新世人類化石探索の予備的調査報告」枝幸研究10号、pp.13-23、2019年)。同論文の要約は以下の通りである。(A)道北地方の石灰岩洞窟・露頭を踏査し、位置と現状を記録した。(B)道北地方の旧石器時代遺跡および旧石器時代遺物包含地を集成した。(C)枝幸町周辺に所在する、あるいはかつて存在した石灰岩洞穴について、立地、現状、過去の調査報告、出土遺物の内容を確認し、一覧を作成した。(D)リキピリ洞穴の洞内堆積状況を調査・確認した。先史時代に人が利用した痕跡は見つからなかった。また、洞内が骨の埋存に適さない土質環境であるとの知見を得た。なお、この論文は、枝幸町の地域博物館「オホーツクミュージアムえさし」のウェブページにて、無料で公開されている。(3)書籍『東北日本の旧石器時代』(東北日本の旧石器文化を語る会編、六一書房、2018年)にて「旧石器時代の動物考古学をめぐる諸問題」を著し、後期旧石器時代の日本列島で小・中型哺乳類狩猟が行われていたことを、動物考古学的成果に基づいて指摘した。
枝幸町オホーツクミュージアムえさしWEBページの、枝幸研究10号リンク先PDFとして公開。
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枝幸研究
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http://www.esashi.jp/common/img/content/content_20190314_114733.pdf