| 研究課題/領域番号 |
15K14616
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
前田 享史 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (90301407)
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| 研究分担者 |
米代 武司 カリフォルニア大学サンフランシスコ校, 糖尿病センター, 学振海外特別研究員 (40724167)
松下 真美 天使大学, 看護栄養学部, 助教 (60517316)
斉藤 昌之 北海道大学, 獣医学研究院, 名誉教授 (80036441)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 生理人類学 / 環境適応能 / 褐色脂肪 / 寒冷誘発熱産生 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、ヒト褐色脂肪の活動状態を捉える手法として、簡便かつ低コストで経時的測定が可能な方法として、褐色脂肪が存在する割合の多い鎖骨上窩の皮下組織温が寒冷刺激を付与した際の褐色脂肪活動を反映するかどうかを明らかにすることを目的としている。
本年度は、前年度までに得られたデータを用いて更なる解析を進めた。
ふるえの生じない寒冷曝露後のFDG-PET/CTにより得られた画像から、50％の被験者において鎖骨上窩部位へのFDG集積が確認された。このとき同時に測定した各部位皮膚温および皮下組織温とFDG-PET/CTにより得られたFDG取り込み値（SUVmax）との間に有意な相関は認められなかった。SUVmaxを用いた判定により褐色脂肪組織を有する者5名（BAT(+)）と有さない者5名（BA(-)）を対象に90分間のふるえを誘発しない程度の寒冷曝露実験を行った結果、鎖骨上窩皮下組織温はBAT(-)群では寒冷曝露中に低下したのに対して、BAT(+)群では低下しなかった。また、鎖骨上窩部の皮下組織温の90分間曝露中の平均値が鎖骨上窩部のSUVmaxと正の相関を示した。一方、鎖骨上窩部の皮膚温はSUVmaxと相関を示さなかった。皮膚温は外気温や気流などの環境による影響を受けやすいと考えられるが、皮下組織温は外気の影響を直接は受けにくく、測定部位の深度もよりBAT存在部に近いことから皮下組織温においてSUVmaxと正相関を示したものと考えられた。以上より、寒冷曝露時の鎖骨上窩の皮下組織温は、鎖骨上窩部の皮膚温と比較して、妥当性の高いBAT活性度の指標となりうると考えられた。
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