本研究ではヒトの発汗機能と汗腺に関わるエクトジスプラシン遺伝子のEDAR370Aとの関係を明らかにするため,日本人におけるEDAR370A遺伝子と一般体表面の活動汗腺数との関係,EDAR370A遺伝子を有している者とそうでない者との発汗調節機能を比較した.40名の健康な男女の被験者(年齢20歳~80歳)を対象にEDAR370A遺伝子の保有者を選別した.36名がこの遺伝子を保有し,4名が保有していなかった.前者の者は活動汗腺数がいくらか多い傾向にあったが,発汗機能には大きな差異はなかった.しかし,EDAR370A遺伝子を有しない者の人数が極端に少なく,普遍的な結果を得ることが出来なかった.
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