研究課題/領域番号 |
15K14619
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (70300473)
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研究分担者 |
福田 修 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20357891)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 福祉 / アシスト機器 / テクノアダプタビリティ |
研究実績の概要 |
1. 目的 近年、人間の動作のエンジンとなる筋力をアシスト(援助)する機器の開発が発展している。現状のアシストは人間(筋)を機械のようにみなして開発される傾向があるが、本来はアシストに対する筋・神経系の適応能(アダプタビリティ)を考慮しなければいけない。本研究では、肘関節屈曲の等尺性運動を対象とし、アシスト中の筋活動の応答および適応特性を検討し、人間(筋)とアシストの望ましいインタラクションを考える。 2. 平成27年度の実績【肘関節屈曲運動時のアシスト時における筋活動の特性(若年者の場合)】 手首に装着した重りを肘関節屈曲運動によって保持する等尺性筋収縮運動に対して、アシスト(前腕を持ち上げる)を行い、筋収縮の運動強度およびアシストの程度によって、アシストの効果が変化するかを検討した。 被験者は健康な若年成人男性25名とした。被験者は座位姿勢をとり、上腕を下垂し、前腕を水平(肘角度直角)にした状態にて重りを保持する(重りは手首部に装着する)。重りは事前に最大等尺性筋収縮力(上記姿勢で一定時間保持できる重りの重さ)を計測し、その20および40%とした。実験では初めはアシストなしで重りを保持し(この場合、肘関節角度は一定とし、等尺性筋収縮を行う)、10秒後に肘関節運動のアシスト(前腕中部を一定の力で持ち上げる)を行った。アシストの程度は理論上50%および100%をアシストするレベルとした。課題中に表面筋電位(主動筋:上腕二頭筋、拮抗筋:上腕三頭筋)の測定を行った。また被験者には主観的運動強度を回答させた。その結果、主動筋の筋電図や主観的運動強度からみたアシストの効果は、運動強度およびアシストの程度によって変化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した実験は終了し、学会等にて報告している
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究成果を学術雑誌に投稿する予定。 一方でその実験において様々な課題が生じた。平成28年度では若年者と同様の内容にて高齢者を対象とした実験を予定していたが、その前に再度若年者にて、実験方法を変更して研究を行うことも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度にて計画していた若年者の研究成果を、平成28年度に別のアプローチにて再度検証したく、そのための予算を残した。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した額は、若年者の研究成果の再検証にて使用する。
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