本研究は日本人集団におけるセロトニントランスポーター遺伝子多型(5-HTTLPR)と社会的集団維持に関わる生理心理反応の関連を明らかにすることを目的とし、人物画像の呈示実験における生理反応、性格特性との関連を検討した。その結果ss型は、人物画像により大きな注意反応を示し、lアレル及びオキシトシンレセプター遺伝子多型のAアレルを持つ被験者は、Buss-Perry攻撃性質問紙の「言語的攻撃」「敵意」「短気」得点が有意に高かった。従って社会的集団維持に寄与すると考えられる生理反応や一部の性格特性が5-HTTLPR 遺伝子多型に影響を受けることが示唆された。
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