アスパラギン酸プロテアーゼ遺伝子(OsASP2)を過剰発現させた形質転換イネおよび非形質転換イネをMS培地、または窒素源がタンパク質のみの培地(MS-IN、カゼイン培地)で30日間栽培し、両者の生育を比較した。MS培地においては、両者に有意な成長差は見られなかった。一方、MS-IN、カゼイン培地においては、OsASP2過剰発現体の葉の長さは非形質転換体の約3.7倍で、葉の乾燥重量は非形質転換体の約1.5倍であった。このことから、形質転換イネにおいて、根圏へのアスパラギン酸プロテアーゼの過剰な分泌が、成長のための窒素源としてのタンパク質の利用に寄与していることが明らかになった。
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