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2015 年度 実施状況報告書

転写型遺伝子サイレンシング(TGS)によるシンテッポウユリの花色改変

研究課題

研究課題/領域番号 15K14645
研究機関北海道大学

研究代表者

山岸 真澄  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40210348)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードTGS / CCD4 / シンテッポウユリ / カロテノイド / 花色改変 / NPT / VIGS / Lilium
研究実績の概要

種子繁殖性のユリであるシンテッポウユリには白花しか無い。本研究ではNew plant breeding technique (NPT) を用いて黄色のシンテッポウユリを育成する。シンテッポウユリでは、花弁で特異的にカロテノイド色素(黄色)を分解するCCD4が働くため同色素が花弁に貯まらないと考えられる。Virus Induced Gene Silencing (VIGS)を利用して転写型遺伝子サイレンシング(TGS)をCCD4遺伝子に誘導して転写を抑制し、花弁でカロテノイドの分解を抑える(黄色になる)。この個体を自殖すると、ウイルスは種子伝搬しないので、目的の遺伝子(carotenoid cleavage dioxygenase4 [CCD4])にのみ変異(プロモーター領域のメチル化)が入り、遺伝子組換えの痕跡は残らない植物ができる。実際に、ウイルスを除去した後もCCD4遺伝子の発現抑制が数世代にわたって続くことを検証する。
初年度はまずCCD4遺伝子の単離を行った。結果、スカシユリとシンテッポウユリから単離することができた。スカシユリには少なくとも2種類のCCD4遺伝子が存在していた。そのうちの1つは、花弁が白くなるときに発現量が増加し、またこの増加は黄花の品種では認められなかったことより、花弁の白色化に貢献しているものと考えられた。もう1つのCCD4遺伝子は、花弁におけるカロテノイド色素の消長と発現パターンが一致していなかった。シンテッポウユリより単離したCCD4は前者のホモローグと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度にCCD4遺伝子(target gene)の全長を単離することに成功した。順調な滑り出しと評価する

今後の研究の推進方策

初年度に単離したCCD4遺伝子の断片をCMV(キュウリモザイクウイルス)のユリ株に導入し、シンテッポウユリに接種する(Virus Induced Gene Silencing [VIGS])。CCD4遺伝子のpost-transcriptional gene silencing (PTGS)とtranscriptional gene silencing (TGS) を誘導して(白い花弁が黄色くなると期待される)、CCD4遺伝子の機能を明らかにするとともに、TGSを起こした個体の中から有望なものを選抜し、後代における形質の安定性を評価する。

次年度使用額が生じた理由

3月に発注した物品(年度内に納品済み)の支払いが済んでいないためであり、実際は年度末において若干予算をオーバーしている

次年度使用額の使用計画

予算執行は計画どおりであり、使用計画に変更は無い

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公開日: 2017-01-06  

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