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2015 年度 実施状況報告書

幼樹開花性を利用したCRISPR/Cas9システムの果樹での展開および評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K14650
研究機関京都大学

研究代表者

山根 久代  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (80335306)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード果樹
研究実績の概要

本研究は、幼樹開花性をもつカンキツを対象として、人工ヌクレアーゼを使ったゲノム編集技術を今後果樹に応用するための知見を得ることを目的としている。すなわち、幼樹開花性をもつグレープフルーツを研究対象として、花成抑制遺伝子であるTFL1を標的遺伝子とした欠損変異の創成を目的としている。早期開花を促すことで次世代における遺伝やオフターゲットの発生頻度の調査を目標としている。
当該年度は、幼樹開花率上昇を目的としてグレープフルーツの実生を供試して低温処理ならびにジベレリン処理をおこない、幼樹開花率を調査した。
多胚性のカンキツであるグレープフルーツ‘マーシュシードレス’とナツダイダイ、ならびにブンタン‘土佐文旦’果実を供試した。これらの果実より成熟種子をとりだし、外皮をむいて25℃環境下で発芽を誘導した。内皮を除去し、多胚性種子においてはそれぞれの胚を分離させて、園芸培土に播種した。半数の個体の展開葉数が7枚以上となった時点で、低温処理(15℃以下)あるいはジベレリン処理(GA3 100ppm)をおこなった。各処理区につき9-19個体を供試した。冬季は低温障害を回避するために、12月から3月にかけてガラス温室内で育成した。その結果、ブンタンおよびナツダイダイでは着蕾が観察されなかったが、グレープフルーツではいくつかの処理区で着蕾が観察された。秋期の低温は幼樹開花率を上昇させること、ジベレリン処理は処理時期によって開花に対して正あるいは負の影響があることを明らかにした。すなわち、低温処理(9-11月)と11月ジベレリン処理を組み合わせて幼樹開花個体の獲得率を向上させることが可能であるため、この条件でゲノム編集個体の早期開花を促す予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

安定して幼樹開花を誘導できる条件をみつけることができおおむね順調に進展している。現在ターゲット配列の選定と組織培養体の維持を続けており、ベクターを構築後ゲノム編集個体を得る予定である。

今後の研究の推進方策

ゲノム編集技術の安定化のために、形質転換が比較的容易なポプラを用いた解析を新たに研究計画に加える予定である。

次年度使用額が生じた理由

バイナリーベクターの購入費用を計上していたが、他研究機関からの無償提供などを利用することで支出を抑えることができた。そのため、次年度使用額として計上することとした。

次年度使用額の使用計画

CRISPR/Cas9システムでは、認識ターゲット配列を複数設計する必要がある。そのため、バイナリーベクターの構築費用として当該助成金を使用する。また、カンキツの幼樹開花性の調査や組織培養体作製なども同時におこなう。

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公開日: 2017-01-06  

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