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2017 年度 実施状況報告書

幼樹開花性を利用したCRISPR/Cas9システムの果樹での展開および評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K14650
研究機関京都大学

研究代表者

山根 久代  京都大学, 農学研究科, 准教授 (80335306)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード果樹 / ゲノム編集
研究実績の概要

本研究では、花成抑制機能をもつFT/TFL1ファミリー遺伝子群にCRISPR/Cas9システムにより変異を導入し、早期開花を誘導するとともに、その後の交雑により組換えDNAが除かれた個体を選抜することで、狙った位置に組換えをおこし、かつ組換えの痕跡を残さない個体を果樹で作出することを目標としている。
前年度までにカンキツを材料として解析と遺伝子組換え個体の作出に挑戦していたが、カンキツの培養個体の作出と安定的に形質転換体を作出する技術の確立に困難を要した。そこで本年度は、幼木相が比較的短くかつ年複数回開花性をもつブルーベリーを実験対象として新たに加えた。ブルーベリーのうち、ノーザンハイブッシュブルーベリーは遺伝的に年1回開花性をもつ一方で、サザンハイブッシュブルーベリーは環境条件によって年複数回開花性をもつ。このうち、‘オニール’は日長が短く温暖な低緯度地域では春季に加えて秋季にも開花する一方、‘ブルーマフィン’は環境条件にかかわらず夏から冬にかけて連続開花し、低緯度地域では落葉がおこらず周年開花する。FT/TFL1ファミリー遺伝子の遺伝子発現について季節変動を調査した結果、花成抑制遺伝子のひとつであるCEN遺伝子が、年1回開花性と年複数回開花性の違いを説明する因子としてもっともふさわしい発現変動を示した。そこでCEN遺伝子に着目して現在ノックアウト個体を作出するためのCRISPR/Cas9ベクターを作成中である。
一方、年複数回開花性品種であるブルーベリー‘ブルーマフィン’から培養個体を作出し、マーカー遺伝子を用いた形質転換実験をおこなった。その結果、マーカー遺伝子であるGFP遺伝子を組み込んだ形質転換体を得ることに成功した。今後は、作成したベクターを用いた形質転換実験を試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績の概要でも触れたように、当初カンキツを用いたゲノム編集検証実験を計画していたが、培養個体の作出と安定的な遺伝子導入技術の習得に困難をきわめた。そこで、培養が比較的容易で、かつ幼木相の短い他果樹種を用いた研究へと計画を変更した。ゆえに当初の目標を達成するうえでは現在の進捗状況はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

現在は、ブルーベリーを用いることで培養個体の作出が容易となっており、今後はブルーベリーを用いたゲノム編集検証実験を続けていく。
・CENをターゲットとしたCRISPR/Cas9ベクターの構築
・ブルーマフィンを用いたアグロバクテリウム法による形質転換実験
・オフターゲットの検証

次年度使用額が生じた理由

研究目標達成をもっとも期待できる果樹種の選定に時間を要したため、当該年度に実験予定であったCRISP/Cas9ベクターの構築を次年度におこなうこととなった。またオフターゲットの検証についても検出キットを用いた解析をおこなう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] National Taiwan University(Taiwan)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      National Taiwan University
  • [学会発表] Studies on the establishment of transformation system for 'Blue Muffin', a continuously flowering blueberry cultivar2017

    • 著者名/発表者名
      Omori, M. and H. Yamane
    • 学会等名
      KU&NTU Joint Workshop
    • 国際学会
  • [学会発表] 自然条件下で連続開花性を示すサザンハイブッシュブルーベリー’ブルーマフィン’の花成関連遺伝子の発現解析2017

    • 著者名/発表者名
      松崎隆介・山根久代・海老原脩・田尾龍太郎
    • 学会等名
      園芸学会平成29年度秋季大会

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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