本研究では主に、二倍体カキ属野生種と六倍体の栽培ガキの性表現の変化に着目し研究を行った。二倍体種は基本的に明確な雌雄異株性を示すのに対し、六倍体栽培ガキは雌雄の両者が同一の個体に着花する個体が現れ、より柔軟な性表現を示す。調査の結果、カキ属の性決定遺伝子であるsmall-RNAをコードする「OGI」の発現が、六倍体種ではSINE様配列によって抑制されており、その代わりに、OGIの標的となるMeGIのプロモーター領域におけるDNAメチル化が花単位の性決定の鍵因子であることを明らかにした。さらに栽培ガキの倍数化においてOGIに挿入されたSINE様配列への強い選抜が生じていることが明らかになった。
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