研究実績の概要 |
1.パルス光合成法の概要 植物は昼間蓄積された糖を、夜間に転流させることで成長している。本稿の夜間光合成法は、夜間に微弱光を照射することで、糖の総転流量を増やすことが目的である。 植物は、光合成がおきない夜間に細胞分裂することで、細胞損傷を緩和している。このため、正常な生育のために、夜間の光強度をできるだけ弱くする必要がある。一方、水菜で試験したところ、光合成光量子効率はパルス間隔が200&から12316;250μsのときに最大であった2,3)。このことは、パルス光にすれば、小さなPPFD光でも光合成がおきることを意味している。以上の結果に基づいて、夜間照射光の光質を、パルス間隔<250μs、PPFD<0.1、デューティー比<0.2に規定した。 2. 蛍光灯型植物工場でのレタス栽培例 昼間は蛍光灯のみを使用し、その後の夜間光合成光の有無が生育に及ぼす影響を調べた。蛍光灯は、葉面におけるPPFDを200に設定し、12時連続照射した。図1に、定植から4週間後の両者の比較を示す。定植から4週間後のレタス重量は、夜間光合成法は蛍光灯のみに比べて約2倍であった。また、顕著な徒長抑制効果も確認された。以上の結果は、夜間光合成法は有意な生育促進効果があることを示している
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