本課題では、多年生植物であるリンドウの休眠器官形成と休眠導入が、リン酸欠乏による緊縮応答により誘導される可能性について分子生物学的解析を実施した。緊縮応答のシグナル分子であるppGppを調節する2種のRelA/SpoT Homologs (RSH1、CRSH)をリンドウから単離し発現を調査したところ、リン酸欠乏条件では両遺伝子の発現が有意に増加した。次世代シークエンス解析から、RSH1には13種のバリアントが存在し、リン酸欠乏により機能型バリアントの発現比率が変動することが明らかになった。これらの結果から、リン酸濃度に依存したRSHの調節が休眠制御に関わる可能性が示唆された。
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