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2015 年度 実施状況報告書

花の葉化因子「ファイロジェン」の作用機構解明による花器官形成制御技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K14661
研究機関東京大学

研究代表者

難波 成任  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (50189221)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードファイトプラズマ
研究実績の概要

ファイトプラズマは植物の篩部に局在する微小植物病原細菌であり、植物に黄化・萎縮・天狗巣・葉化などのユニークな症状を引き起こし、世界中の農業生産に甚大な被害をもたらしている。特に植物の花を葉に変化させる「葉化病」は、ときに植物の商品価値を高めることから、植物病防除の観点から大きな問題をはらんでいる。しかしながら、その発症機構はこれまで不明であった。最近、申請者らは、ファイトプラズマのゲノム上にコードされる葉化実行因子「ファイロジェン」と、その分解ターゲット因子である「MADSドメイン転写因子」を明らかにした。また、MADSドメイン転写因子の立体構造が解明された。
本研究では、これら最新の知見をもとに、ファイロジェンによる宿主転写因子群の選択的分解の構造的メカニズムを解明し、葉化病の特効薬開発と実用に向けた新たな技術開発を目指して研究を行っている。ファイロジェンはわずか91アミノ酸の小型タンパク質であり、類似のタンパク質はこれまで報告されていない。今年度は、ファイロジェンタンパク質の大量発現・精製により構造解析を行った。また、核局在性のMADSドメイン転写因子を利用したGFPレポーターアッセイ系を開発し、MADSドメイン転写因子の部分変異体をファイロジェンとともに発現させて核の蛍光の有無を観察することで、MADSドメイン転写因子中のファイロジェン結合領域を特定した。これらの情報をもとに、結合特異性に関わるアミノ酸残基の探索を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の研究において実施予定であった構造解析および結合領域の特定について達成した上、結合領域における重要残基についても解析を進めているため、実験の進捗は順調であると言える。

今後の研究の推進方策

ファイロジェンとMADS転写因子双方において、相互作用部位に変異導入をおこない改変することにより、葉化病の抑制因子や花器官の形態制御技術を開発する。

次年度使用額が生じた理由

高額な消耗品の購入を次年度に予定しているため。

次年度使用額の使用計画

当該研究費は、基本的には実験のための消耗品の購入に充てる予定である。高額な機器の購入予定はない。

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公開日: 2017-01-06  

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