水田周辺の土地利用が水田害虫とその天敵の発生に及ぼす影響を北海道上川・空知・石狩地方の無農薬水田で評価した。主な水田害虫とその天敵類を対象に、7月初めから9月初めにかけて2週間ごとに計5回、すくい取りによる調査を行った。また、調査水田から半径1200mにある景観要素を測定した。その結果、各害虫種で特定の時期、距離で景観との関係が見られ、アカヒゲでは周辺の小麦圃場との関係が示唆され、ウンカ類やイネミズゾウムシでは畦畔との関係、ドロオイでは畦畔、森林両方との関係が見られた。これらの主要な天敵類であるクモ類においては、種によって関係する周辺環境やその範囲が大きく異なった。
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