ダイズなど穀類には有機態リン酸のフィチン酸が多く含まれる。本研究では、フィチン酸に関わる様々な問題を解決することを目的に、低フィチンダイズを育成し、その低フィチンダイズの有用性を検討した。圃場試験の結果、西日本奨励品種と同程度の収量を持つ低フィチンダイズが数系統育成した。さらに、その中からP利用効率が高く低P条件下でも生産性の高い系統が選抜した。低フィチンダイズの濃厚飼料で飼育した鶏から排泄された鶏糞を施用した植物栽培実験から低フィチン鶏糞では可給態リン酸が多く含まれ、イタリアンライグラスの生産性もフィチン鶏糞に比べて高く、低フィチンダイズがリン酸資源の節約に有用であることが示唆された。
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