一酸化窒素(NO)に、環境ストレス下における植物の機能抑制を軽減する作用が知られていましたが、その作用メカニズムについては不明でした。本研究では、NOの高温発芽阻害の軽減作用のメカニズムを調査しました。33℃高温時のレタス種子発芽阻害が、様々なNO発生誘導剤処理により打ち消されることを確認し、この時NOが種子内に8-ニトロcGMPの生成を誘導し、この物質がアブシジン酸の代謝を促進し発芽を誘発させていることを見出しました。 8-ニトロcGMPがNOのシグナルを細胞内で伝達する役割を担っていることをが推測でき、本成果がストレス条件下での植物の機能向上技術の開発につながるものと期待されます。
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