イネオートファジー欠損株の栄養期・生殖成長期葉を通した生活環全般におけるホルモン・脂質の網羅的解析の結果、脂質由来の植物ホルモンであるジャスモン酸(JA)含量が低下し、JAの前駆体であるα-リノレン酸は、欠損株の生殖期葉において顕著に減少していた。一方、欠損株の雄性不稔形質を部分的に乗り越え、稔実種子を得る方法を確立し解析した結果、品質の低下した白濁米であり、電子顕微鏡解析から、原因の一部は、胚乳周縁部の澱粉粒の微細化に起因することを見出した。糖・澱粉組成等の網羅的比較解析から、欠損株の胚乳内で、糖・澱粉代謝異常が見られ、澱粉分解酵素アミラーゼの活性亢進の可能性も示唆された。
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