研究課題
平成28年度では酸化還元酵素電極触媒ハイスループットスクリーニング系の構築にむけた以下の基礎検討を行った.1)多孔質炭素のさらなる改良:酵素が炭素の限られた空間しか利用できていないことが分かった.したがって本年度において,多孔質炭素微粒子の表面のみならず内部に形成された細孔も有効活用できるデザインの多孔質炭素をデザインし,その機能評価を行った.2)印刷電極への多孔質炭素の修飾:1)の成果により,適切な細孔を有する多孔質炭素を塗布した電極を用いることで,酵素吸着量が短時間で増加し,大きなシグナルを得ることに成功した.3)酵素活性のスクリーニング:酵素液に電極を一定時間浸漬し,酵素の電気化学活性をモニタリングすることで非常に薄い酵素液(10nm)においても十分な酵素活性を観測することができた.また酵素濃度の依存性を電気化学応答の強度により判別できた.4)酵素の電気化学活性プロファイルの調査(イオン種の影響):このシステムを応用することにより,酵素の電気化学的活性に及ぼす温度,塩濃度,pHなどの影響を調査することができた.一例として,ビリルビンオキシダーゼは,ある塩を共存させることによりその熱耐性が向上することが明らかになった.5)メディエータのスクリーニング:本システムは直接電子移動型酵素電極反応のみならずメディエータ型反応にも応用できることが分かった.従来の測定の100分の1程度の非常に少ない酵素量で様々な酸化還元分子(メディエータ)との反応性を調査することができた.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 9件、 招待講演 8件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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